N bijouxは日本の衰退しつつある繊維産業や繊細で巧みな技術を活かした「ものづくり」を日本に残したいという想いからはじまったブランドです。
創立者のNanaとデザイナーのNaomiの頭文字「N」をとり、宝石を身に着けるようにランジェリーを身に纏いときめいてほしいという思いからフランス語で宝石を意味する「bijoux」が名前の由来になっています。伝統工芸品、伝統的建造物等が今も残る東京の浅草を拠点とし毎日のようにお会いする素晴らしい匠達との会話から「ものづくり」に対する熱意の洗礼を受けブランド活動を始めています。
N bijoux「千歳-chitose-」について
商品紹介(サイズ展開・カラー・価格等)
こちらは千歳-chitose-というデザインになります。深いグリーン地に松の刺繍が新鮮なデザインです。
サイズは1~12(A65〜F80)まであります。サイズ展開が豊富でたくさんの方を受け入れてくれるのは嬉しいですね。
サイズに関してデザイナーさんに伺ったのですが、贈り物として贈ってもらうことも視野に入れているようで、あえてA65のような表記ではなく1〜12というサイズ表記にしたそうです。サイズに捉われたくない人もいるでしょうし、その小さな心遣いができることが素晴らしいと思いました。
ブラは¥54,000、お揃いのショーツは¥36,900。販売されているアイテムの中で最も高価なセットになります。N bijoux究極の「和」ランジェリーだといえるでしょう。そのこだわりを紐解いていきます。
商品の付け心地
私はトップバスト71・アンダーバスト65でブラはサイズ1(A65)を選びました。サイズ1はトップバスト75〜80cm、アンダーバスト65〜70cmになります。普段はA~B65が多いです。
N bijouxの帆花と同じようなサイド部分が斜め下についたような独特なパターンです。身体に違和感なくフィットし、ワイヤーが苦手な私でも痛くない作りです。ぎゅっと胸が持ち上げられるような感覚がありますが不自然に寄せられているわけでもなく、自然なラインに見えるところに工夫を感じます。
千歳はサイド、カップやストラップは全て丹後シルクの生地を贅沢に使っており、同ブランドの帆花と比べてややしっかりとしたフィット感です。
レース・素材
自然な風合いが特徴の京都丹後地方で作られた「丹後シルク」という生地を松の葉の色の「千歳緑」という色に染められています。
千歳緑とは・・・マツ科常緑針葉樹のような深い緑色のこと。不老不死や不変の象徴とされ、季節の移ろいの中でも変わらずに緑の葉をつける松にあやかり、千年の後(千歳)も変わらない緑の意を示している
wikipediaより
商品の背景にあるストーリーや努力が所々から垣間見え、色褪せない、揺るぎのないN bijouxの信念に通ずるところがありますね。
帆花のシルクサテンのしっとりした艶感よりもっと控えめな艶感です。生地のシボ感が苔のように見え「庭園」をイメージしたというコンセプトがよく表現されていると思います。生地の風合いを損ねずに刺繍をも引き立てる美しい深い緑だと思います。
日本に産まれ育っているのに、まだ知らない色や言葉に出会えたことをとても喜ばしく思います。知れば知るほど世界が広がる「花言葉」や「色」の意味、そこまで想いがめぐるN bijouxのものづくりへのこだわりに感服するばかりです。
ショーツはフルバックで、丹後シルクがふんだんに使われています。こちらも帆花同様、履き口が「わ」になっており、縫い目がゴロゴロしないようになっています。
サイドにはブラと同じ松の刺繍がしてあり、贅沢なショーツとなっています。後ろにはN bijouxオリジナルのメタルチャームがついており寂しくなりがちな後ろ姿にワンポイントが可愛らしいです。
シルクは吸湿性に優れていて夏は涼しく、冬は空気を含んで暖かく感じられるので、身につけるだけで身体や肌を労わることができそうですね。シルクといえば繊細な生地でお手入れが手間といったイメージを持つ方も多いと思います。
なるべく長く着けられるよう手洗いを推奨されていますが、ネットに入れてドライ設定で洗濯機で洗うこともできるそうです。毎日身につけるものだからこそ私はどこかでブラを「消耗品」だと考えていました。少し手間がかかるけど、とっておきのブラがあってもいいですね。
この美しい生地や刺繍、仕様を見ていたら沢山の方が関わっていることが伺えるので、お手入れの時間も愛おしく感じられそうです。
N bijouxの菊華よりもっと豪華に、色を増やして奥行きを感じる刺繍です。とても高級感があります。同じようなデザイン、モチーフのランジェリーが多い中で「松」は他では見たことがありません。唯一無二な感じがして持っているだけで特別感があります。洋風に一切振り切らないデザインも潔くて私は好きです。これまでに見たことのないモチーフなのではじめは「どこで着けるんだろう・・・」と感じたのが正直な気持ちでしたが、年齢を問わず、見ていて飽きのこないデザインだと思います。
ギミック(カップ・ワイヤーのカーブ・ストラップ・パッド・ホックの段数・伸縮性)
同ブランドのノンワイヤーブラ菊華と比べるとカップと前中心の作りが大きく違うことがわかります。菊華はツンとしたような胸に、千歳はよりナチュラルな形づくりになったと感じます。
自然な胸の形のまま綺麗に魅せるという、ほんの少しだけ自分の身体を底上げしてくれるブラだと思います。
ワイヤーはしっかりと入っており、サイドボーンはありません。前中心部分に間隔が空いているので、ワイヤーが刺さる感覚はありません。個人差はあっても胸は離れているものなので、無理に寄せて上げてを作り出す形ではなく胸がある位置にちょうどカップがくるので軽い付け心地です。
意外とメインのワイヤーよりサイドボーンの方が痛いことがありますが、胸をしっかり包んでくれる作りなのでサイドにボーンがなくても安定感があります。
ストラップも本体と同じシルク生地でくるんでできています。帆花よりもやや伸縮性はないように感じます。太めのストラップは肩に食い込むことがなく、負担を軽減しつつしっかりと胸を支えてくれます。
ホックは2段で4段階調整ができます。フックアイも変わらずN bijouxオリジナルです。
オリジナルではないパーツを探す方が難しいかもしれません。
幅広いサイズの方をカバーできるのはホックの段数の多さもひとつの工夫だと思います。ジャストサイズの方であれば多少伸びても長く着けられますし、「ブラは消耗品ではない」と思えるもうひとつのポイントです。先のことまで考えて作られているので、大切に着けたいという気持ちが自然と湧いてきます。
どういった方向けの商品か
正直な感想は自分ではどういった場面で着けていいのか、ふさわしいシーンがあるのかなと考えてしまいましたが。
今後の日本の繊維産業への投資、日本最高峰のランジェリーを所有するという蒐集欲。コレクションとして「持つ楽しみ」があると思います。
帆花でもレポートしましたが、しっかりとしたギフトボックスに入っているので、ワンランク上の贈り物にも最適だと思います。日本ではランジェリーを贈り物としてカジュアルに贈る文化はポピュラーではありません。直接的に贈ることに抵抗がある方はN bijouxはギフトカードもあるので好きなものを選んでもらうという形をとるのも良いと思います。
上質で年代を問わず着けられそうな点を考えると友人以外にも家族に贈るのも良さそうだと思いました。
まとめ
独特なパターンも、これまでに見たことのない太さのストラップも、フックアイも、デザインも、当たり前すぎて気がつかなかったことを全て覆しているN bijoux。究極の「和」ランジェリーと謳うだけあって特にその本気度が伺えるブラでした。
沢山の人の想いがつまった、唯一無二のとっておきのブラをあなたに。