ECブランドに特化したブランドが集結
今回のイベントにはランジェリーショップが5店舗が出店したが、いずれも実店舗を持たずECに特化したビジネスを展開しているブランドばかりが集まった。「ECに特化したブランド」という共通点を持つショップが集まることで、普段は試着することができないブランドを一気にまとめて試着できる絶好の機会となった。
来場者の中には「以前から通販サイトやSNSを見て気になっていた」という理由で足を運んだ人もいた。特定のブランドを目当てに来場した人も、この機会を逃すまいと全てのブランドを試着してから帰るケースも多かったようだ。試着をして自分のサイズを確認しておけば、今後は通販でも安心して買えるという点においても、今回のイベントは来場者にとっては大きなメリットがあった。
ONもOFFもハッピーに。心ときめくランジェリー
イベント会場には各社が持参したバラエティ豊かなランジェリーが数多く並んでいた。その中から代表的な商品を紹介したい。
MADREA / LUISAコレクション
リバーレースを贅沢に使い、手のひらでバストを包み込んだ時の感触にも似たもっちりと吸い付くようなフィット感が心地よいコレクション。
OnlyG /ノンワイヤ―ブラシリーズ
グラマー向けのノンワイヤ―ブラオンリーG。サイズの汎用性が高く、Gカップだけでなく幅広いサイズに対応している。
ewa bien / 2022 Autumn/Winter Collection
11月以降に発売予定の秋冬コレクション。3/4カップのプランジブラ、フルカップのセミソフトブラ、ノンパテッドの1枚レースブラなどがあり、それぞれ10種類ほどのデザインから選ぶことができる。
各社ともメーカーのこだわりの感じさせるアイテムを取り揃えており、商品のこだわりなどを丁寧に説明するショップスタッフの姿や、興味深そうに話を聞く来場者の姿が見られた。
アクティブな日も安心!高機能なアンダーウェア
ランジェリーエリアを過ぎると、会場奥にはスポーツブラや吸水ショーツなどのアンダーウェアがずらりと並ぶ。
ShockAbsorber / BOOBUDDY
スポーツブラはサイズがカップとアンダーに細かく分かれているだけでなく、大きいサイズの展開はKカップまであり、自分にピッタリのサイズを見つけることができる。数年前にSNSで話題になったブーバンドは今でも根強いファンが多く、最近はBraSheオリジナルの吸水型ボクサーショーツも人気だ。
FillemMe / Knix & KnixTeen
オーストラリアの吸水ショーツを輸入販売するのは、4人の子供を育てる母親でもある横山さん。自分の娘が生理の時にはけるショーツを探していて辿り着いたのがKnixだったそう。シームレスな薄手で履いてるのを忘れるくらいストレスフリー。カラフルで選ぶのが楽しくなるカラーバリエーションは子供からも好評だ。
ブランドの個性が際立った大阪イベント
今回の参加ブランドにはECという共通点がある一方で、デザインや機能の面においてはブランドによって全く異なっていた点も注目すべきポイントだ。商品はいずれもグラマーサイズの女性をターゲットでありながら、訴求ポイントは実に個性にあふれていた。
例えば、デザインだけを比較してもテイストが全く異なっているから面白い。マドレアが黒と白を基調としたエレガントな雰囲気なら、オンリーGはパステルカラーの柔らかなイメージ、エヴァビアンはレースの透け感を楽しむセンシュアルなデザインと、それぞれ異なっている。さらに、デザインだけでなく機能面での違いもはっきり分かれてしており、それぞれが個性を存分に発揮していたように思う。
1回目の東京イベントでは、グラマーサイズのアパレル衣料を展開するオーバーEとの共同企画だったこともあり、洋服が目当ての来場客も多かった。また、グラマーサイズのブラジャーはEカップからKカップまでと幅広いため、サイズとデザインの両方を拡充することはブランドにとっても負担が大きく、デザインの種類が限定されてしまうという課題が残った。
しかし今回は、ランジェリーオンリーのイベントであることに加えて、エヴァビアンの秋冬コレクションをはじめとした複数のブラジャー形状やカラーバリエーションが用意されており、来場客からは「どれも可愛くて迷ってしまう」という嬉しい悲鳴も聞かれた。「買わなければならない」というプレッシャーから解放され、普段は試着することのできないランジェリーたちを自由に存分に楽しんでいるという様子も垣間見えた。
「今回は、サイズだけでなくデザインの選択肢も確実に揃っていました。選べるデザインの数が少ないと、せっかく自分のサイズが見つかっても楽しみが限られてしまいます。その点で今回の大阪イベントはとても有意義なものになったと思います。」とマドレアのジャスミンさん。今回イベントに参加ショップは5店だけだが、各ブランドが豊富なラインナップを揃えて出展したことで、来場者に多くの選択肢を提供することができたためだという。
イベント主催者でもあるマドレア代表の風神さんも「今回で3回目(大阪開催は初めて)ですが、ランジェリーのポップアップとしては、過去イベントと比べて着実に前進していると感じます。」と話していた。
ブランドの垣根を越えたGBLの挑戦
今回初めてGBLにエヴァビアンを出展したSPLASHは「本来は競合し合ってもおかしくない関係性にあるブランド同士が、顧客を奪い合うのではなく、互いに協力し合ってイベントを盛り上げていくのはすごく良いことだと思うし、今後もGBLが開催されるときは出展したい」と話す。風神さんも「もちろんGBLは今後も継続的に開催していくつもりです。次は名古屋か東京での開催を考えています。」と次回への意欲を示した。
顧客に喜びを提供するという共通のゴールに向かって、競合であるブランド同士が協力し合ながら足並みを揃えている姿は、今回イベントを取材した筆者から見ても印象的だった。WIN-WINの関係性を築きながら前進し続けるランジェリーブランドの未来は明るい。