ファッション×ランジェリーを融合したブランドLilose
Liloseは、1997年生まれ(現在26歳)のデザイナー兼ブランドオーナーの郡樂道美さんが2021年10月に立ち上げたニューフェイスブランドだ。近年は、ファッションとランジェリーを融合させたファッションランジェリーと呼ばれる分野が若い世代を中心に広く受け入れられつつある。
保守的な層が多いと言われる名古屋で、若きフレッシュな感性が生み出すファッションランジェリーはどれだけ受け入れられるのか。今回のタカシマヤPOPUPがLilose初の百貨店イベントであり、東海地区で初の販売イベントとでもあるということで、オーナーの群落さんもやや緊張した面持ちで筆者を迎え入れてくれた。
Liloseの商品ラインナップの特徴は、ランジェリーと一緒にトップスやボトムスなどのコーディネートアイテムが陳列されている点にある。それらのアウターは全て郡樂さんがプロデュースしたLiloseオリジナルアイテムで、どれもランジェリーとトータルでコーディネートを提案するためにデザインされている。ランジェリーを見せて楽しめるよう、胸元や背中が大きく開いたブラウスや透け感のあるシアーブラウスなどが並ぶ。
今シーズン春夏のマストバイ!最旬トレンドのボディ
春夏トレンドでもあるボディは、一見セクシーなランジェリーだがファションとしての可能性を大きく秘めた、注目度No.1のアイテム。背中のクロスストラップは背中が大きく開いたLiloseのアウターとの相性抜群で、トータルコーディネートが楽しめる。
エレガントなフラワー柄ではなくモダンなジオメトリック柄のレースを、セクシーなブラックではなくセンシュアルなホワイトをセレクトしているため、フェミニンやカジュアルなファッションにも合わせやすいのが嬉しい。
お揃いデザインのブラレットは、カジュアルファッションにも合わせやすいバンドゥ型。ブラジャーのような下着感がなくハーフトップのような感じなので、ランジェリーの中でも特にファッションに取り入れやすい形といえる。
春という季節柄からホワイト系のランジェリーに目が行きがちだが、やはり定番のブラックも外せない。エレガントなスカラップレースに華奢なストラップがモダンな印象の黒ブラレットは、実はバックスタイルにエッジが効いている。背中でストラップが美しく交差し、背中見せファッションにぴったりだ。
グリーンやパープルなどの春夏カラーも大人気
Liloseといえばホワイトやブラックなどモノトーンが多い印象だったが、今回のイベントで一際目を引いていたのがパープルとグリーンのブラレットとショーツのセットだ。いずれもビビッドカラーでありながら、ややくすんだ柔らかさを持ち合わせており、年代を問わず楽しめそうな色味が特徴。
グリーンのブラレットは、先ほどご紹介した白のバンドゥ型ブラレットの色違い。屋久島の自然をイメージしたという新緑グリーンは、身に着けるだけでフレッシュな気分を味わえる。
一番人気はそのまま外出のOKのキャミワンピ
今回のポップアップで特に来店客からの反応が良かったアイテムのひとつが、キャミソール型のロングワンピース。
ディープグリーンのワンピース(写真右)は、ランジェリーとは思えないルックスで、スリップやドレスという言葉よりワンピースという言葉がもっとも相応しいかもしれない。日本製の丁寧な法制と繊細なデザインによるクオリティの高さも魅力だ。
グレーのニットワンピースは、キャミソール型のワンピースにアームカバーが付いた個性的なデザインが特徴。背中が大きく開いており、Liloseのバックシャンなブラレットやボディと合わせることで、手軽にランジェリーファッションが楽しめる。
ファッションとランジェリーの垣根を超えて
最後に、郡樂さんに今回のイベントの反応をお伺いしてみた。
「名古屋でのイベントも百貨店でのポップアップも初めてですが、想像していたよりも若年層のお客様とご年配のお客様が多くて驚きました。想定していたよりも幅広い年代のお客様に興味を持っていただけて嬉しいです。」
基本的にLiloseのターゲットは20代の若い世代がメインのはずだが、それ以上の世代からも受け入れられる可能性と手応えを掴めただけでも、今回のイベントは成功だったに違いない。ファンジェリーとファッションの垣根を超える、若きデザイナーの挑戦はまだ始まったばかりだ。