吸水ショーツとは
吸水ショーツとは2020年頃から日本でも話題になり始めた、新しい生理用品の形です。
今までのようにサニタリーショーツに使い捨て生理用品を重ねなくても、ショーツ本体が経血を吸収する仕組みとなっています。替えの生理用品を持ち歩かなくて良い手軽さと、生理用品のズレやヨレを気にしなくて良いこと、また洗って繰り返し使用できるサステナブルの観点からも注目度の高いアイテムです。
布ナプキンとの違い
ショーツ自体が経血を吸収するということは、布ナプキンと同じ?と思う方もいるでしょう。布ナプキンには使い捨てのナプキンと同じ形のものや、折りたたんで使用するハンカチのようなものなどがあります。どちらもショーツに装着して、汚れたら新しいものと交換します。
吸水ショーツは、それ自体が経血を吸収します。吸収力も通常の布と違って高く、肌に触れる部分はさらっと快適になるよう工夫されているため、交換せずに一日履いていられるタイプが主流です。
吸水ショーツのメリット
メディアでも取り上げられることが多くなってきた、今話題の吸水ショーツ。さまざまなメーカーから発売されていますが、共通して言えるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
着用感が普通のショーツに近く、もたつかない
ナプキンはズレやヨレの心配があったり、お尻まわりのシルエットやゴワゴワ感が気になることも。吸水ショーツは一体型のため、吸収体がズレてしまう心配はありません。
クロッチからお尻にかけての吸水部分の厚みも、メーカーによる差はありますが着用してみると気にならないケースがほとんどです。
出先で交換の必要がない
基本的に日中はそのまま1枚を履き続ける想定で作られています。替えのナプキンを持ち歩く必要がないため手荷物も減り、付け替え時の煩わしさもなくなります。経血量を気にして交換のタイミングを考える必要がなくなるのは嬉しいですね。
はじめて量の多い日に履くときなど、吸水ショーツだけでは不安な場合は月経カップやタンポンを併用したり、ナプキンを併用して様子を見ることもおすすめです。
洗濯して繰り返し使える
使い捨てナプキンと違い、繰り返し使用できるためゴミの量が減ります。家族に見られたくないナプキンのゴミ処理がなくなり、ナプキンの在庫管理も不要に。
まだ吸水ショーツだけでは不安という方は、生理のはじまりそうなときや終わりかけのみに吸水ショーツを履いてみるのもおすすめ。念のために着けたナプキンをそのまま捨てることもなくなり経済的です。
ムレにくくニオイも気にならない
吸水部分は何層にもなってモレを防いでいますが、通気性が良い素材が使われているため比較的ムレは少なくさらっと快適です。使い捨てナプキンでかゆみやかぶれが出やすい方は試してみる価値ありですね。
また、多くの吸水ショーツは防臭加工がされていてニオイも気にならないことがほとんどです。
布ナプキンよりも干しやすい
布ナプキン使用者も吸水ショーツ同様、使用後は洗って干すわけですが、ナプキンの形をしたものを干すよりもショーツ型のものを干すほうが気を遣わなくて済みます。
布ナプキンはオーガニックコットンなど天然素材のままの白やベージュ色をしていることが多く経血の色が目立ちますが、吸水ショーツは吸水部分が黒く、汚れが目立たなくなっています。
吸水ショーツのデメリット
良いことずくめに見える吸水ショーツですが、デメリットはあるのでしょうか。使用したことのある方からよく聞かれるデメリットをまとめました。
最初に買いそろえるときの費用が高め
安価なものは2000円以下でもありますが、3000円~7000円くらいが吸水ショーツの相場です。洗い替えも必要になるため、初期費用としては10000~20000円程度はかかります。
生理用品に10000円は高いと感じるかもしれませんが、昼用と夜用のナプキンを合わせて月に800円分購入したら1年で9600円になります。長い目で見れば、繰り返し使用できる吸水ショーツのほうがお得ですね。
外出先では交換しにくい
基本的には日中は1枚で過ごせるとされている吸水ショーツですが、量が多く心配な日に出先のトイレでショーツを履き替えるとなると大きな手間です。
吸水ショーツだけで足りなそうな場合は月経カップやタンポンを併用したり、念のためのナプキンを着けておくのも手です。吸水ショーツにも吸水量の多いものと少ないものがあるため、多い日と少ない日で使い分けることもおすすめです。
洗濯が面倒
ポイっとゴミ箱に入れればいい使い捨てナプキンと違い、吸水ショーツは洗って干す必要があります。
とはいえ流水でもみ洗いして洗濯機に入れるだけなので、付け置きが必要な布ナプキンを使っていた方ならだいぶ楽になったと感じるでしょう。
吸水ショーツの使い方、洗い方
吸水ショーツは汚れの落ちやすい素材でできていることが多く、浸け置きや特別な洗剤は必要ありません。慣れればそこまで手間ではないため、布ナプキンに手を出せなかった方でも吸水ショーツならトライしやすいでしょう。
一日に必要な枚数は?
一般的な吸水ショーツの取り替えるタイミングは一日に2回です。
- 入浴時
- 起床時
一日履いた吸水ショーツをお風呂に入るタイミングで脱ぎ、新しい吸水ショーツで就寝します。朝起きたら新しい吸水ショーツに取り替えます。
この方法だと一日に3枚あれば足りなくなることはありません。
生理のはじまりや終わりかけの量が少ない日なら、就寝中はほぼ経血が出ないことも多いため、朝の吸水ショーツの取り替えも必要ないかもしれません。
吸水ショーツの洗い方
しっかり経血を吸い込んだ吸水ショーツは、洗濯機に入れる前にもみ洗いしておきましょう。
STEP1.流水でもみ洗いする
流水に色が出なくなるまで吸水ショーツをもみ洗いします。このとき洗剤は必要ありません。
熱いお湯は血液が固まりやすく汚れ落ちが悪くなるため、水かぬるま湯を使用します。
STEP2.ギュッと絞って洗濯機で洗う
他の洗濯物と一緒に洗ってしまって構いません。
ただしもみ洗いで濡れたままの吸水ショーツを夜洗濯かごに入れて翌日の朝に洗う場合、他の洗濯物に長時間触れていると残っていた血液汚れが付着することもあるため注意しましょう。
STEP3.干すときは裏返すと乾きやすい
水着のように乾きやすい生地のものが多いですが、裏返して干すことでより厚みのある部分も乾きやすくなります。
吸水ショーツに寿命はあるの?
吸水機能に関しては、長期間繰り返し使用してもあまり変化はないといわれています。
しかし通常のショーツも長年使用すればくたびれてくるのと同様に、布自体の耐用年数があるため全体に伸びたりヨレが生じてフィット感が悪くなったら買い替えどきです。
吸水ショーツを使って生理日を快適に過ごそう
吸水ショーツを履くと、まるで普段のショーツと同じ履き心地で思わず生理中であることを忘れてしまう方もいるでしょう。
ナプキンの取替えタイミングを気にせず過ごせることがこんなに快適だとは、体験するまで気がつかないのではないでしょうか。
まだ吸水ショーツ未体験の方はぜひ、軽い日からでも良いので試してみることをおすすめします。洗濯の手間が気にならないほど、ストレスのない一日を過ごせますよ。