インナーを着るのは冬だけ?
1年中インナーを着用している方は多くいますが、中には「インナーは冬しか着ない」という方や「インナーを着ない」という方もいます。しかし、インナーを上手に取り入れることで、梅雨や真夏のジメジメ感が軽減できます。
①ジメジメする梅雨や真夏にインナーは余計暑そう?
梅雨や真夏にインナーを着ると、余計に暑そうに思えるかもしれませんが、実はインナーを着ることによって、汗や湿気による不快感が軽減できるのです。インナーを着ていないと服に直接汗がつくため、服の生地によっては、そのままの状態で放置したり冷房のきいた場所に移動すると、体が冷えてしまうこともあります。そのため、スポーツなどで汗を多くかくときには、汗によるべたつきや冷えなどを防ぐために、Tシャツにインナーを重ねるという方もいます。
②カラッと快適に梅雨を過ごすためには実はインナーがあるといい
ジメジメする梅雨にインナーを着ていないと、汗が吸収されにくくなったり、吸収された汗が乾きにくくなったりすることがあり、インナーを着ている状態よりも蒸れやすくなります。蒸れることで雑菌が繁殖しやすくなり、かぶれや臭い、あせも、ニキビなどさまざまな肌トラブルの原因にもなります。また、汗をかいたまま放置することで、体が冷えてしまいます。季節に合ったインナーを着ることで、このような問題を解消できます。
なぜ蒸し暑いときにわざわざインナーを着るの?インナーを着るメリット
インナーを着ることで、蒸し暑いときに起こりがちなトラブルを防ぐことができます。インナーを着るメリットを3つ紹介します。
①背中や脇の汗染みを防ぐ
インナーを着ることで、服への汗染みを防げます。さらに、脇には脂質やタンパク質などの成分を含んだ汗を出すアポクリン腺が多くあるため、汗による臭いや黄ばみも発生しやすくなります。ちなみに、汗染みは服の色や素材によって、目立ちやすさが異なります。白色が最も目立ちにくく、黒などの濃い色も比較的汗染みが目立ちません。速乾性のある素材も、汗が乾きやすいため汗染みが目立ちにくくなります。しかしグレーなどの服は、脇汗が目立つためインナーを着ることをおすすめします。
②汗で濡れることでブラのラインが透けることも
インナーを着ていないと、汗で服が濡れたときにブラのラインが透けて見えてしまうことがあります。特に、服の色や生地が薄い場合は透けやすくなります。服にインナーが透けて気になる場合には、ベージュなど自分の肌になじみやすい色のインナーを選ぶと透けにくくなります。
③ショーツの蒸れはかゆみや臭いにつながることも
デリケートゾーンの蒸れは、かゆみや臭い、かぶれなどのトラブルにつながることがあります。ショーツが蒸れると、デリケートゾーンに分泌された汗や皮脂によって菌が繁殖しやすくなり、菌が繁殖することで強い臭いが発生してしまいます(菌が汗や皮脂を分解するときに、臭いが発生します)。デリケートゾーンはもともと蒸れやすい部位ですが、ぴったりとしたショーツの着用などによって、ショーツと肌の間に湿った空気がこもり、さらに蒸れやすい状態になります。ショーツの上にボトムスが重なることで湿気がこもりやすくなったり、長時間座った状態が続くことで蒸れやすくなったりすることもあります。
湿度が高いとき、特にあると嬉しい機能
機能的なインナーを選ぶことで、蒸れや汗染みなど、湿度が高いときに起こりやすいトラブルを回避できます。湿度が高いときに注目したいのは、次の3つの機能です。
①速乾
湿度が高いときにあると嬉しい1つ目の機能が、速乾機能です。吸収した汗や湿気が素早く発散されるため、蒸れを防ぐことができます。また、汗染みが目立ちにくい、汗をかいてもべたつきにくいといった効果も期待できます。インナーが汗で濡れている状態が続くと、体が冷えやすくなるため、速乾機能は風邪の予防にも効果があります。
②脱臭
湿度が高いときに嬉しい2つ目の機能は、脱臭機能です。繊維の性質によって起こる化学反応や、生地への加工などによって脱臭効果が発揮されます。脱臭機能が備わっていると、汗の臭いはもちろん、部屋干しや生乾きによる臭いの発生も抑えられます。中には、臭いのもととなる雑菌の繁殖を抑える機能をもったインナーもあります。
③冷感
湿度が高いときに嬉しい3つ目の機能が、接触冷感機能です。接触冷感は、熱の移動しやすさや気化熱などを利用したもので、接触冷感をもつ繊維や生地があります。接触冷感機能をもつインナーは、肌に触れたときに涼しさを感じられるため、湿度が高い時期にぴったりな着心地です。
素材別おすすめ
インナー素材の主流はコットンですが、コットンよりも吸水性や放湿性が高いシルクのインナーも人気があり、湿度が高い時期を快適に過ごすための機能をもっています。また、夏用インナーであれば、べたつきにくいポリエステルもおすすめです。さまざまな特徴をもつ、高機能素材を選ぶという手もあります。
①シルク
天然素材のシルクは肌にやさしく、吸水性や放湿性が高いため、おすすめの素材です。シルクの繊維には空気の層が多く含まれています。この層に汗や湿気が吸収され、放湿されます。そのため、シルクのインナーを着ると蒸れにくくなります。シルクは摩擦に弱いため、手洗いを推奨されることが多いのですが、洗濯機で洗えるものもあります。洗濯表示を確認して、洗濯機で洗えるものを選ぶと毎日のお手入れも楽にできます。
②ポリエステル
合成繊維のポリエステルは、吸湿性が低く乾きやすいため、おすすめの素材です。ポリエステルの繊維は水分を吸収しないため、天然素材にはない速乾性があり、多くの汗をかくスポーツウェアにも使用されています。また、基本的に丈夫な素材なので、お手入れも楽です。繊維の形を変えるなどして、吸水性のなさをカバーしたものもあります。
③その他高機能素材など
素材の織り方や編み方などを工夫したり、複数の素材を組み合わせたりすることで、吸水速乾や接触冷感などの機能をもつ高機能素材もおすすめです。インナーに加工を施すことで、抗菌防臭したり、汗染みを防いだりするインナーもあります。
おすすめできない素材
湿度が高い時期におすすめできない素材は、コットンとレーヨンです。季節に合わない素材のインナーを着ると、かえってストレスを感じやすくなってしまいます。
①コットン
コットンは蒸れにくく、肌にやさしい天然素材ですが、放湿性が低いためおすすめできません。吸水性は高いのですが、放湿性が低いため、吸収した汗や湿気がこもりやすくなります。汗や湿気がこもった状態が続くと、体が冷えたり、臭いが発生したりする可能性が出てきます。ただし、他の素材と組み合わせて速乾性をもたせたコットンのインナーもあります。
②レーヨン
再生繊維のレーヨンは、水にとても弱いため、おすすめできません。レーヨンには接触冷感効果があり、吸水性が高いため汗をよく吸いとり、放湿性も備えています。ですが、レーヨンは水に弱いため、雨に濡れると水シミができることがあります。また、洗濯方法を間違えると縮んでしまいます。
快適さをアップさせるコツは、季節に合ったインナーを着ること
インナーに求められる機能や、快適だと感じられるインナー素材は、季節によって異なります。汗や蒸れなどが気になる季節には、汗をよく吸いとり、吸いとった汗がすぐに乾くインナーを選ぶと快適さをアップすることができます。汗染みや臭いが心配な場合には、速乾性や消臭効果があるものを選ぶと安心です。季節に合ったインナーで、蒸し暑い季節を乗り切りましょう。