ナイトブラとスポーツブラは代用できない
ナイトブラとスポーツブラはどちらもノンワイヤーで見た目が似ているため、お互いに代用している方もいるのではないでしょうか。たしかに見た目は似ていますが、ナイトブラは就寝時に、スポーツブラは運動時に適した機能を備えているため、代用することはおすすめできません。
なぜ代用できないのか、スポーツブラとナイトブラのそれぞれの機能と、代用したときのデメリットを解説します。
スポーツブラの機能
ランニングやジムでのエクササイズ、宅トレをする方が増え、スポーツショップやランジェリーショップではおしゃれなスポーツブラが数多く販売されています。運動時に特化したスポーツブラには、どのような機能があるのでしょうか。
運動時の揺れからバストを守る
運動の種類にもよりますが、ランニングやエクササイズなど上下運動が激しい運動中は、バストは大きく揺れてしまいます。バストが揺れることで影響を受けるのが、クーパー靭帯です。クーパー靭帯はバストが下垂しないように引っ張ってくれていますが、強い刺激を受けると伸びたり切れたりしてしまいます。クーパー靭帯は一度傷ついてしまうと、修復できません。
運動中にクーパー靭帯を傷つけないためには、特に縦揺れを軽減させてあげることが大切です。スポーツブラは普通のブラに比べ縦揺れを防げるように設計されていることが特徴です。 運動時にはスポーツブラを着用して、バストを縦揺れから守りましょう。
サポート力が強く運動してもズレにくい
運動中に腕を上げ下げしていたら、ブラが上にズレてしまった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。肩や胸まわりを動かすと、どうしてもブラは上がりやすくなります。ブラがズレたまま運動していると、バージスライン(バストの下のライン)が崩れる原因になってしまうため注意が必要です。
スポーツブラはズレを防ぐために、アンダーバストが太く作られていたり伸縮性が高くなっていたりします。さらにバストの丸みを保つためにカップの形も工夫されています。スポーツブラを着用して、運動中でも美しい形のバストをキープし、思いっきり体を動かしましょう。
吸湿速乾など運動に適した素材がある
運動中はたくさん汗をかきますが、普段着用しているブラは、大量の汗を吸収できる機能が備わっていないものがほとんどです。吸水力がないブラで運動を続けていると、あせもや肌荒れが起こる可能性があるため、運動に適した素材のブラを選ぶことが大切です。
メッシュ素材や吸湿速乾性がある素材のスポーツブラがたくさん販売されています。スポーツブラを選ぶ際には、サポート力やデザインとともに、素材にも注目してみましょう。
ナイトブラの機能
なんとなく寝るときにはナイトブラを着用している、という方も多いのではないでしょうか。就寝時にナイトブラがおすすめの理由を機能面から解説します。
就寝時にバストが左右に流れるのを防ぐ
就寝時のバストは日中ほど重力の影響を受けないからと油断していませんか。バストは乳腺と脂肪から形成されていますが、ほとんどは脂肪です。脂肪は柔らかく、仰向けや横向きで寝ていると重みで簡単に左右へ流れてしまい、バストの形が崩れやすくなります。だからこそ、就寝時にもサポートしてあげることが大切です。
ナイトブラは左右へバストが流れないよう設計されており、適度なホールド力を左右に備えています。バストが左右へ流れることを防ぐために、ナイトブラを着用しましょう。
脇や背中の肉を集めてくれる
胸の脂肪は、脇や背中などに流れがちです。年齢とともにカップのサイズが小さくなったという方の中には、胸のお肉がほかの部位へ流れてしまっている可能性も考えられます。バストアップのマッサージや日中の補正下着で、脇や背中のお肉をバストへ集める努力をされている方も多いでしょう。しかし、夜にノーブラで寝てしまうと、その努力が台無しになってしまうかもしれません。
ナイトブラはバストを正しい位置でホールドするよう設計されており、脇高に作られているものが多いのが特徴です。就寝時にもナイトブラを着用することで、バストケアができますよ。脇や背中の肉を正しい位置へ戻すために、ナイトブラを活用してみましょう。
快適なつけ心地で寝苦しくない
バストが左右に流れることを防ぎ、脇や背中のお肉を集めるためには、日中着用しているブラでも、十分かもしれません。しかし就寝中に日中用のブラを着用すると、窮屈で寝苦しさを感じることがあるでしょう。
ナイトブラの良いところは、適切なホールド力を持ちながら締め付け過ぎないことです。また、背中側にホックのない商品も多く、寝ている間にブラの硬い部品に当たって痛みを感じることはありません。バストを美しい形に保ちながら快適な睡眠を得るためには、就寝時専用のナイトブラを着用することをおすすめします。
スポーツブラを就寝時につけるデメリット
同じノンワイヤーブラのスポーツブラとナイトブラ。どちらも代用できそうな気がしますが、ノンワイヤーだからといって別の用途に使い回すことはおすすめできません。スポーツブラを就寝時に着用した場合のデメリットについて解説します。
バストメイク機能がない
スポーツブラは縦揺れに強く、サポート力もあるため、就寝時にも利用できるのではないかと考えるかもしれません。たしかにスポーツブラは縦揺れには強いですが、起き上がった姿勢の重力の影響を考えて設計されているため、バストが左右へ流れる力からは守ってくれません。
またバストの丸みを保つことよりも、運動を快適に行うことにポイントを置いているため、平べったい形をしているスポーツブラも多いです。立体的でないスポーツブラでは、バストメイクする機能は期待できません。
むくみやブラの跡が残りやすい
運動中は問題ありませんが、アンダーバストのホールド力が強いスポーツブラを長時間着けていると、締め付けによりリンパの流れが悪くなることがあります。リンパの流れが滞ることは、むくみや肌荒れの原因になることもあります。またアンダーバストの締め付けにより、ブラの跡が残ることもあるため、注意が必要です。
寝苦しい
肋骨を少し締め付けるだけで、呼吸のしにくさを感じませんか。本来リラックスして過ごすべき就寝時に、スポーツブラでアンダーバストを締め付けることは、寝苦しさを引きおこす可能性があります。就寝時には呼吸を妨げないブラを選ぶことが大切です。
ナイトブラを運動時につけるデメリット
スポーツブラを就寝時に着用するデメリットと同様に、ナイトブラを運動時に着用するデメリットもあります。
クーパー靭帯を守れない
ナイトブラはバストが左右へ流れることに対してホールド力はありますが、縦揺れや下垂を防ぐ機能は備わっていません。そのため運動時にナイトブラを着用すると、バストは自由に縦揺れしてしまい、激しい縦揺れによりクーパー靭帯が傷ついてしまいます。
素材が柔らかくホールド感が少ない
ナイトブラは寝苦しくないように、柔らかい素材を用いた下着が多いのが特徴です。リラックスして寝るためには良いことですが、日中や運動時に着用するにはホールド力が足りません。腕を上げ下げしたりジャンプしたりすると、ブラが上へズレてしまうため、運動時にはナイトブラの着用はおすすめできません。
バストトップの形を拾うことがある
ナイトブラは生地が薄く、カップが入っていない商品が多くあります。そのため、バストトップの形が透けて見えてしまうことがあります。家の中で過ごすには問題ありませんが、外やジムで運動する際には、バストトップの形が目立つことは避けたいでしょう。海外ではバストトップを気にせずにファッションやスポーツを楽しむ方もいますが、日本ではまだまだ少数派です。 周囲の人に配慮するためにも、バストトップの形がわかるナイトブラでの運動は避けるようにしましょう。
どちらのブラも寿命に注意
一般的にブラの寿命は1年間といわれています。3枚を使いまわしている場合、1枚のブラは1年間でおよそ100回着用することになります。使いまわすブラの枚数で寿命は変化しますが、ゴムが伸びてきたりカップの形が崩れたりしてくるため、1年もしくは100回着用を目安に買い替えることがベストです。
では、スポーツブラとナイトブラの寿命はどれくらいでしょうか。毎日同じブラを着用すると仮定すると、スポーツブラは約1年、ナイトブラは3〜4ヶ月が寿命といわれています。あくまで目安のため、次に紹介する買い替えのサインを参考に、ブラの状態を見極めて買い替えると良いでしょう。
【ブラの買い替えのサイン】
- ストラップが緩くなった
- アンダーバストのゴムが伸びている
- カップが変形している
- シミや汚れがある
- スポーツブラの場合、縦揺れを以前より感じるようになった
- ナイトブラの場合、朝起きるとブラがズレている
お手入れ方法でも、ブラの寿命は大きく異なります。少しでも長く着用できるように、適切なお手入れ方法でケアしましょう。基本は手洗いがおすすめです。優しく手洗いし、日陰で自然乾燥すると良いでしょう。
バストを守るために、ナイトブラとスポーツブラは使い分けが大事
ナイトブラはバストが左右に流れることを、スポーツブラはバストが縦揺れすることを防ぐことに特化したアイテムです。それぞれにシーンに適した機能が備わっているため、使い分けることが