敏感肌向けの下着といえば綿100%が常識
敏感肌向けの下着といえば、綿100%素材の商品が主流です。国内の有名下着メーカーでも、敏感肌の方に向けた綿100%の商品が多く販売されています。実際に、綿100%の下着を好んで着用されている方がいるのも事実です。
綿とは、綿花からできた天然繊維の素材を意味しています。ブラジャーやショーツなどのインナーはもちろん、カットソーなどのトップスやボトムでも、綿100%の商品が多数販売されています。敏感肌の方にとって綿100%の素材の下着が良いとされているのは、下記の理由からです。
- 空気を含んでいて柔らかくふっくらしている
- 吸湿性や吸水性、通気性に優れている
- 静電気が起きにくい
- 繊維の先端が丸みを帯びているため刺激になりにくい
- 適度な弾力で下着としても最適
- 締めつけが少ない
綿は、ほかの素材と違い、摩擦が起きにくく肌への刺激が少ないことが大きな特徴です。また、ほかの素材に比べて通気性が良いため、ムレによるかぶれが起きにくいのも大きなメリットといえます。
実際に綿100%の下着を愛用している方からは「肌触りが良くて伸びも良く、楽に着られる」「締めつけもなく、ふんわりとしていてつけ心地が良い」などの声も寄せられています。
ここが落とし穴!綿100%の下着でも痒みやかぶれが起こる理由
一方で、綿100%の下着でも肌荒れを起こしてしまうこともあります。綿100%の素材でも肌荒れを起こしてしまうケースでは、汗や皮脂による雑菌が繁殖することや繊維自体が洗濯によってダメージを受けていること、さらにタグや縫い目による刺激などが理由です。ここからは、綿100%の下着でも痒みやかぶれが起こってしまうケースについて、ひとつずつ解説します。
汗などで濡れてしまうと乾きにくく、雑菌が繁殖しやすい
綿素材は、吸水性が良い反面、速乾性がないことがデメリットです。汗をかいた下着をそのまま着用していると蒸れてしまい、肌のバリア機能が低下します。バリア機能が低下した肌はいつも以上にデリケートになっており、かぶれや痒みを引き起こす原因となってしまうのです。
さらに、蒸れたショーツやブラジャーは、雑菌が繁殖しやすいため注意が必要です。菌が繁殖すると、痒みだけでなく病気につながる恐れもあります。汗で蒸れた下着をずっと着用することは避け、できるだけ汗をかいたら下着を変えることを習慣づけましょう。
洗濯を繰り返すことでできる毛羽立ちにも注意
メリットがたくさんある綿100%の下着ですが、洗濯によるダメージを受けやすいという特徴もあります。綿素材の下着や衣類は、洗うと縮みやすくシワになりやすいという特徴を持っており、洗濯を繰り返すと毛羽立ちを起こしてしまいます。肌への刺激が少ない綿100%の下着でも、毛羽立つと痒みやかぶれの原因になるので注意しましょう。
毛羽立ちを起こした下着による肌刺激を防ぐためには、綿100%の下着であっても、定期的に新しい下着に変えることが大切です。また、下着を洗う際には、洗濯ネットに入れるなどをして、長く愛用できるよう心がけましょう。
ショーツのゴム、タグや縫い目などの摩擦
下着の内側にあるタグやゴムの部分、ブラジャーのワイヤーによる摩擦は、痒みやかぶれを引き起こす原因のひとつです。タグでかぶれを起こしてしまった場合は、タグ自体をはさみなどで切るのもひとつの手。また、ゴムでかぶれてしまった経験がある方は、締めつけの少ない下着を選ぶのもおすすめです。ワイヤー下がかぶれてしまう人は、ノンワイヤーの下着に変えてみましょう。
綿でも痒くなる人には綿とレーヨンの混紡素材の下着がおすすめ
綿100%の下着でも肌荒れを起こしたことがある方におすすめの素材が、綿とレーヨンを組み合わせた混紡素材の下着です。混紡素材とは、2種類以上の違う繊維を組み合わせた素材を意味します。
レーヨンは、木材などを原料にした再生繊維です。レーヨンは、シルクのようななめらかな肌触りと洗濯ダメージを受けにくいという特徴を持っています。さらに、綿よりも吸湿性に優れ、蒸れにくい素材です。
綿100%とレーヨンの混紡素材の下着は、綿ならではのふっくらとした素材感を活かしながらなめらかな着心地を楽しめます。綿のデメリットもカバーできるため、敏感肌の方にとくにおすすめの素材です。
繊維のせいだけじゃないかも?痒み改善のために見直すべきポイント
最後に、痒みやかぶれを起こさないために、下着選びの際に気をつけたいポイントについてまとめました。敏感肌でなかなか自分に合う下着が見つけられない方はぜひ参考にしてください。
シームレスブラやシームレスショーツを選ぶ
痒みの原因として多く聞かれるのが、ゴムの刺激による痒みやかぶれです。とくに夏は、ゴム部分に汗や皮脂がたまり肌荒れの原因になりやすいため注意しましょう。
ゴム部分に痒みやかぶれといった肌荒れを起こしたことがある方には、縫い目のないシームレスの下着がおすすめです。シームレスの下着は、縫い目がないだけでなく締めつけも少なく、さらにパンツやスカートにラインが響きにくいといったうれしいメリットもあります。
肌を保湿する
下着による痒みやかぶれは、肌が乾燥状態にあるときに起こりやすくなります。肌を保湿するタイミングは、肌が乾燥しやすい状態にあるお風呂上りがおすすめです。お風呂から上がったらなるべく早いタイミングで、ボディクリームなどで保湿を行いましょう。肌が乾燥しやすい方はとくに入念に保湿を行うことが大切です。
下着を着用する前にボディクリームなどで保湿ケアを行うことで、乾燥を防ぎ下着による皮膚の痒みやかぶれを回避できます。
すでに痒みがある場合には、掻かずに冷たいタオルなどで肌を冷やしましょう。乾燥状態にある肌はバリア機能が低下しているため、掻いてしまうと肌が炎症を起こし、さらなる痒みにつながる可能性があります。できるだけ掻かずに冷やすことを心がけましょう。
汗を大量にかいたら下着も着替える
敏感肌の方にかかわらず、汗をかいたまま着用しておくと、痒みやかぶれの原因になります。 汗には多くの塩分が含まれており、そのままにしておくと肌への刺激になるため注意が必要です。汗を大量にかいてしまった場合には、できるだけ早目に下着を着替えるようにしましょう。 こまめに下着を変えて清潔に保っておくことが、肌荒れ回避への1番の近道といっても過言ではありません。
古い下着を買い替える
古い下着をそのまま着用し続けることも、肌荒れの原因となります。古い下着を見極めるポイントは下記の通りです。
- 締めつけ部分が伸び切っている
- 生地が薄くなってきている
- 毛玉ができている
下着を定期的に買い換えるのも良いでしょう。なお、下着の寿命は週に2回着用するもので1年程といわれています。最低でも1年ペースで下着を買い換えましょう。また、伸びたり洗濯によるほつれなどが起きたりしている下着は、思い切って捨てることも大切です。
暑い時期でもインナーをプラスする
汗による蒸れや洋服による肌刺激で肌荒れを起こしてしまう方は、インナーをプラスすることもポイントです。
インナーには、透け防止のほかに、洋服による刺激を防いだり汗を吸収したりなどの役割があります。寒い冬にインナーを活用している方は大勢いますが、夏はインナーを着ないという声も良く聞かれます。しかし、インナーを着ていないと洋服による刺激を直接受けてしまうので注意しましょう。
最近では、綿100%の接触冷感素材のインナーも登場しています。夏の暑い時期でも、キャミソールなどのインナーを着用する習慣をつけましょう。
肌トラブルが起こりにくい下着を選んで毎日快適に過ごそう
敏感肌の方に定番の綿100%の下着。しかし、綿100%の下着を使っていても、古いものを着用し続けたり蒸れたままにしておいたりすると、肌トラブルにつながるため注意が必要です。また、綿100%でも肌荒れしてしまう方は、綿とレーヨンの混紡素材の下着を使ってみるのも良いでしょう。自分の