この記事では、シルクの洗濯から保管まで、お手入れ方法や注意するポイントについて解説しています。
シルクってどんな素材?
そもそもシルクとは、どのような特徴がある素材なのか知っていますか?憧れの存在ではあるものの、詳しい特徴を知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、シルク素材にはどのような特徴があるのかを解説します。
シルクとは、蚕の繭から作られる素材です。人間の肌の成分に近いとされるアミノ酸が結合した、主成分がタンパク質の天然繊維です。シルク素材は人間の肌に近い成分やタンパク質構造をしていることが特徴で、肌に優しい素材だといわれています。
肌への刺激が少ないため、敏感肌の方でも安心して使用することのできる素材です。また、シルク特有の光沢や肌触りの良さから、広い世代からの高い支持を得ています。
シルクの下着のメリット
シルク素材でできた下着には、憧れの存在というだけではなく機能的なメリットも多くあります。シルクの下着を選ぶメリットは、以下の通りです。
- 保温性
- 吸放湿性に優れている
- UVカット効果
以上の3つのシルクの下着のメリットについて、詳しく解説します。
保温性
シルクは、とても小さい繊維が集まってできています。この小さい繊維の間に空気をたくさん含んでいるため、シルクには高い保温性があります。
シルクを身につけると、寒さの厳しい冬でも暖かく過ごすことができます。肌触りが良く保温性に優れているので、寒い季節の下着として優秀です。
吸放湿性に優れている
シルクの素材は、吸湿性・放湿性ともに優れています。夏場に汗をかいてもベタベタせず、サラサラの着心地を楽しむことができます。
夏場に下着がベタベタして気持ち悪かったり、汗が冷えて逆に寒くなったりといった不快な現象から解放され、快適に過ごせることがシルクの下着のメリットです。
汗をかいてもサラッとする化学繊維の下着はシルク素材のものよりも安価で手に入ります。しかし、敏感肌の方は汗による肌荒れに悩んだ経験があるのではないでしょうか。
シルク素材は肌への刺激が弱く、さらに汗をかいた後もベタベタせずに適度な保湿感が残ります。乾燥によって起きる肌トラブルを防ぐことができるのも、シルクの下着の特徴です。
UVカット効果
シルク素材は紫外線を吸収してくれるため、肌を紫外線から守るUVカット効果が期待できます。紫外線の強い季節は、肌への負担が気になるものです。肌トラブルや日焼けを予防したい方には、シルクの下着がおすすめです。
肌に優しいシルク素材は、日焼け止めクリームで肌荒れしてしまう方でも安心して着用できます。汗をかいても着心地がよく、日焼け止めクリームよりも肌に優しい紫外線対策ができる点がシルクの下着のメリットです。
シルクの下着の洗い方
シルクの下着は肌に優しい上に機能性も兼ね備えている、とても魅力的なものです。ただしシルクは繊細な素材なので、正しい洗い方を知らないと繊維を傷つけてしまう可能性があります。
ここでは、シルクの下着の洗い方について詳しく説明します。シルクの下着を購入したい方やすでに持っている方は、確認してみてくださいね。
手洗いする方法
シルクの下着を手洗いする場合は、洗濯ネットには入れずにそのまま洗いましょう。もみ洗いをするとシルク生地を傷めてしまうので、優しく押し洗いをします。汚れを落としたら、よくすすいで優しく絞ってください。
シルクは繊細で摩擦に弱いです。手洗いする際も、できるだけ優しく押し洗いすることを意識し、強くもんだり擦ったりすることのないように注意しましょう。
洗濯機の手洗いモードで洗う方法
洗濯機を使用する場合は、やわらかく目の細かい洗濯ネットを使用しましょう。シルクの下着を軽く畳んで、ネットに入れます。この際、生地に厚みがある場所は傷みやすいので、内側になるようにたたんでからネットに入れてください。
シルク素材は摩擦に弱いです。そのため、洗濯機を使用する場合は手洗いモードを選んだとしても、洗い時間や脱水時間を短く設定すると安心です。乾燥機にかけるとシルク生地が縮んでしまうので、洗濯機で洗う場合でも乾燥モードは避けてください。
また、洗濯物同士の摩擦もシルク生地を傷める原因となります。できるだけ少ない量で洗濯機を回すことをおすすめします。
シルクを洗濯するときのポイント
シルクを洗濯するときは、以下のポイントに注意しましょう。
- シルク専用洗剤、もしくは中性洗剤を使用する
- 漂白剤は使用しない
- 乾燥機を使用しない
- 陰干しする
- 摩擦を最小限に抑える
シルクは天然繊維なので、洗濯には気を遣う必要があります。間違った方法で洗濯すると生地を傷め、下着の寿命が短くなってしまうので気をつけてくださいね。
特に注意すべきなのは、シルクが摩擦に弱いこと、そして乾燥機や天日干しで縮んでしまうことです。洗濯するときはできるだけ摩擦を抑え、乾燥機は使用せずに陰干しするようにしましょう。
シルクの下着の取り扱い方
シルク素材はとても繊細です。シルクの下着を長く使用するためにも、正しい取り扱い方を心がけましょう。ここでは、以下の4つのポイントについて詳しく紹介します。
- 光に極力あてない
- 風通しが良く湿気の少ない場所にしまう
- 防虫剤を使う
- 摩擦に気をつける
洗濯するとき以外でも、取り扱い方に注意して憧れのシルクの下着を長く楽しみましょう。
光に極力あてない
シルク素材はタンパク質が主成分です。そのため、人間の肌と同じように紫外線に弱く、日焼けしてしまいます。干すときに天日干しを避けることはもちろん、保管の際も直射日光が当たらない場所を選びましょう。
また、日光だけではなく蛍光灯の光にもあてないことが理想です。部屋の中でも直射日光や蛍光灯の光がなるべくあたらない場所で保管してください。
光にあたると生地がかたくなって肌触りが悪くなってしまったり、日焼けにより退色や黄ばみが生じてしまったりとトラブルの原因になります。
風通しが良く湿気の少ない場所にしまう
通気性の悪い場所で保管すると、シミができたりカビが生えたりしてしまうことがあります。シルクの下着を保管するときは密閉せずに袋から出して、風通しの良い場所を選びましょう。
洗濯した後のシルクの下着は、完全に乾かしてからしまうことが大切です。乾燥機や直射日光がNGのため、陰干しでしっかりと乾かしてください。保管場所には、シルクの下着と一緒に乾燥剤を入れることもおすすめです。
シルクの下着を長期間使わない場合は、いざ使いたいときに綺麗な状態を保っておくためにも、ときどき陰干しをすると効果的です。
防虫剤を使う
大切なシルクの下着に虫食いの穴があいてしまうことを予防するためにも、保管場所には防虫剤を入れると良いでしょう。この際、違う種類の防虫剤を併用しないようにしてください。下着に思わぬシミができてしまうことがあります。
シルクは生地がやわらかく虫に好まれるため、予防をしておくと安心です。衣類を食べる虫は、花や外干しした洗濯物に付着していて家庭内に侵入することが多いです。虫が侵入すると衣類に卵を産み、孵化した幼虫が衣類を食べるようになります。
シルクのようなやわらかい高級素材ほど虫に好んで食べられてしまいます。せっかくのシルクの下着を守るためにも、被害に遭う前から防虫対策をしましょう。
防虫対策を徹底したいからといって、何種類もの防虫剤を使用することはNGです。違う種類の防虫剤を一度に使用すると、薬剤のシミができて汚れてしまう場合があるので注意してください。
摩擦に気をつける
何度も紹介したように、シルクは摩擦に弱い素材です。摩擦によって、生地が傷んだり毛玉ができたりしてしまいます。シルク特有の光沢や肌触りの良さを守るためにも、摩擦には十分気をつけて保管しましょう。
シルクの摩擦に気をつけなければいけないのは洗濯のときだけではなく、保管のときも同様です。一度丁寧にしまえば摩擦は起こらないと思いがちなのですが、衣類の積み重ねによっても摩擦は発生します。同様に、ほかの服を取り出すときや保管場所の開け閉めのときにも摩擦は発生するものです。
このような保管後の摩擦も考慮した上で、保管場所や管理方法を検討しましょう。
シルクの下着は上品で機能性も高い憧れの存在
シルクは、特有の光沢や上品さ、さらに機能性も兼ね備えた、下着としても優秀な素材です。高級感のある見た目や質感から、広い世代に愛される憧れの存在でもあります。
使用するうえでメリットがたくさんあるシルクの下着ですが、繊細な天然素材なので洗濯や保管には注意が必要です。今回紹介したポイントを押さえて、正しい管理のもとシルクの下着を楽しんでくださいね。